仕事をしていれば「さまざまなアイデア」は生まれるものです。それ自体は、誰にでも手に入るものです。大切なのは、「もっとも効果的な打ち手はなんだろう」と改めて問うことです。

僕は群馬県出身です。
あまりメジャーな県ではありません。
でも、いいところですよ。
  
最近は、群馬県のゆるキャラ「ぐんまちゃん」が
「ゆるキャラグランプリ」で優勝したり、
イメージを高めようと、がんばっているようです。
(群馬を題材にしたマンガも、売れているみたい)
 
 
そんな地元の活動をみながら
「でも、僕なら、まだぐんまちゃんに力を入れない」
と思いました。
 
 
群馬県には、
草津温泉や、スキー場があります。
 
草津は、いつも全国温泉ランキングベスト3には
入ります。とてもいいお湯の温泉なのですが、
でも、いま全国1位は熱海です。
 
どうしてでしょう。
熱海・伊豆が、
東京など他県から、電車で行けることは
大きな理由だと思います。
大学生も、旅行しやすい。
 
 
それに対して、草津にいくとき、
自動車が主な乗り物です。
ほとんどのスキー場も、そう。
車がないと、いけないし、遊べない。
 
自動車にあまりのらない人にとっては、
ともかく不便です。
 
 
だから僕なら、
東京から、温泉地やスキー場まで
「列車を引くこと」が重要だと考える。
 
 
ぐんまちゃんはすばらしい。けれど、
お客さんを運んできて、向こう50年
経済、税収を共に、確かに高めるのは、
特急電車を引くことです。
 
ぐんまちゃん1万匹飼育しても、
そこまで威力はありません。
 
 
たとえ桁の違うお金がかかっても、
土地の確保が天文学的に大変でも、
 
鉄道会社や、国などと粘り強く交渉することは、
10年、20年かかってもやり続けるでしょう。
 
それが効果的なのだから。
 
もし30年前からここに力をかけていたら
すでに工事ははじまっていたかもしれません。
そしてゆるキャラは、
別のフォルムになっていたかもしれない。
 
 
これ、経営でいうなら、
「何が一番効果的な打ち手なのか、
 考えよう」という話です。
(それを戦略と言います)
 
 
言われれば当たり前なんですけど、
誰かに「ゆるキャラでブランドを高められます。」とか
いわれると、それが意味があるような気がしてしまうんですよね。
 
手を動かして忙しくすること以上に、
「あなたにとっての」必要性を
見抜く時間を大切にする。
止まった成長を、再始動させるために、きっと役立ちますし、
桁の違う成長は、考えることから生まれます。 
 
 
「何が一番効果的な打ち手なのだろう」
この問いを、改めて自分に向けてみてください。

ー 事例紹介 ー