「先行者利益」
この言葉聞いたことありますか?
ビジネスの世界の、理論で、
「先に市場に参入した会社が その後、優位に立つ」
という意味です。
 
 
スピードが重要だとされる理由の一つで、
シリコンバレーでは極端に重視された
理論でした。
ドッグ・イヤーとか、ラット・イヤーとか、
スピードを煽るような言葉が溢れていたのは
この理論があったからです。
 
 
ただ、この話、
ちょっとした問題があります。
 
全部、間違ってたんです。
 
 
もともとスタンフォード大学の
デイヴィッド・モンゴメリーさんと、
マーヴィン・リーバーマンさんが
論文を書いたのですが、
1993年に、完全に覆されてしまっています。
 
間違いを指摘したのは、
ご本人たち自身です。
 
 
曰く、500のブランドを調査した結果、
「先行者」として参入した会社は、
半分はなくなり、
生き残った半分も
平均以下のシェアしか、ありませんでした。
 
 
何より、各市場を席巻する会社やブランドは
パイオニア企業より、
「平均13年後に」、市場に参入しているそうです。
 
 
みんなが知っているブランドで、身近な例でいうと
キンドルなんかは、まさにそうですね。
 
電子書籍リーダーをこの世界に初めて投入したのは
ソニーでした。Eインク技術を使って、電子書籍端末
をつくったんです。でも、市場を席巻したのは、
3年以上遅れて開発された「キンドル」ですし、
iPad」でしょう。
 
 
で、僕が面白いなと思うのは、
この論文が出されても、
先行者利益は嘘だったと聞いても、
 
僕らはおそらく
スピード重視の姿勢を変えられないことです。
人間て、おもしろい。
 
参考論文:
pioneer Advantage : Marketing Logic or Marketing Legend (Journal of Marketing Research,)

ー 事例紹介 ー