いまは多くの仕事にとって、コミュニケーションは、仕事そのものといってもいいかもしれません。そのちょっとしたコツをお話しします。お客さんと、スタッフさんとのやりとりにお役立てください。

お客さんとのコミュニケーション、
スタッフとのコミュニケーションで、
話を聞くことは、とても大きな影響があります。
 
 
僕は、クライアントさんとお会いして
対話をしながら、
複雑な状況を整理して、
その会社がよくなる突破口を見つける仕事をしてきました。
 
 
20年ちかくこの仕事をしていて、
すくなく見積もって
1日1件だけ仕事をしたとして、
10年だけそれを続けてきたとしても、
2400件くらい対話を経験してきたことになります。
(倍くらいありそうだけど)
 
 
それでいつの間にか、
それに習熟していたようです。
 
 
「どうしたら、こんな風に聞けますか?」
少し前から、対話の仕方、
特にはなしを聞く聴き方について
尋ねられることが増えてきました。
 
 
聞かれて初めて棚卸ししてみたのですが、
もちろん、
技術的に意識していることが、いくつかありました。
 
 
セリフやスキルとかもいろいろありますが、
例えば、できるだけ、「ていねいに」聞くことです。
決めつけないで、「自分は、わからない」
というところから、理解をしたいと思うこと。
 
 
それから、情報はもちろんですが、
話し方や、
メロディ、音も意識して聞きます。
 
 
そのひとの大切にしていることや
決定的な誤解は、
「はなす内容」と「はなし方」で伝わるからです。
  
  
 
で、いろいろ棚卸ししながら、
ひとつ、自分がとても大切にしていることが
あると気づきました。
 
 
それは、
すこしかっこいい言い方をするなら、
「相手の意図を、信じる」ことです。
 
 
いろいろな状況のクライアントさんがいて、
色々な段階の、
色々な課題を抱えています。
 
それがどんな状況で、
その人がどんな言葉を使っても、
(ときに悪びれることも
 カッコつけちゃうこともあります)
 
その人は、
「誰かのために、仕事をしようとしてる」
「よくなろうとしてる」
肯定的な意図を持っています。
 
(言葉になっていないことが、まだまだたくさんあります)
 
 
で、クライアントさんの
肯定的な意図を信じることができて、
それが相手に伝わると、
 
むずかしい技術の多くは不要になると感じます。
なんというか、
場が生まれ、
場の中から、大切なアイデアが生まれてくる感覚です。
 
 
もちろん、専門知識や、
仕事の中で生みだしてきた知恵は
土台になっているはずです。
でも、僕としては、自分以外の何かが
あと押ししてくれるような感覚。
 
 
仕事のとき、
家族やともだちと向きあうとき、
 
じぶんの内側にはいりこんで
次に話すことに照準を合わせがちですが、
 
相手にやさしい気持ちを向けてみると
何かが「コリっ」と音を立てて変わります。
それはとてもたのしい体験でもあります。
 
それぞれの仕事に、
こういうコツみたいなものがあるのだろうなと
思いました。世界は豊かですね。

ー 事例紹介 ー